
腹腔鏡手術を受けられる患者様からのよくある質問をまとめたものです。
手術前や手術後の生活などに関する疑問に、詳しくお答えしています。
腹腔鏡下手術に関する Q&A 集
手術前の生活、準備に関して
- 手術前の生活に制限はありますか?
- ありません。特別の指示がなければ、入院の前日まで、お仕事、スポーツ、入浴など日常どおりの生活をしていて構いません。
- 月経を止める薬(GnRH アゴニスト)は使わないといけないのか?痛いか?費用は?薬の名前・容量は
- 子宮筋腫や内膜症の病状により、手術前の使用の有無が決まります。大きな筋腫や、癒着が予想される内膜症では原則として術前投与を行っております。GnRH アゴニストに関する詳しい説明はパンフレットに記載してありますので参考にしてください。
- GnRH:注射をしたのに、生理または出血があるのですが
- GnRH アゴニストには使用開始時卵巣を刺激する作用があります。このため月経が停止するまで 2~3 ヶ月間かかります。この間月経や不正出血があっても心配要りません。また、低用量の GnRH アゴニストでは卵巣機能を抑える作用が弱いため、3ヶ月以降でも不正出血が見られる場合があります 。 通常 、不正出血があっても薬の効果は変わりません。
- 手術の前に必要なケアは?
- 腹腔鏡手術のスコープはお臍の中から挿入します。お臍をきれいにしてください。具体的には入浴して、お臍が十分にふやけた後、石鹸をつけたタオルや綿棒などでできるだけ奥までお臍の中をこすってください。
- 手術の前の生活について
- 体調を崩さないよう十分睡眠をとり、健康管理にお気をつけください。(発熱、風邪症状などにより、手術が延期となることがあります。)
手術に関して
- 開腹の可能性は?
- 手術の難しさによって、開腹の可能性は異なります。一般的に、開腹の可能性は 10%以下ですが、詳しくは医師にご確認ください。患者さまごとの具体的な数字は同意書に記入されています。
- 誰が執刀するのですか?
- 原則として外来の担当医師が手術を行います。当院では、内視鏡手術学会の技術認定医や内視鏡手術指導医が手術に立ち会っております。詳しくは外来担当医にお尋ねください。
- 入院後のスケジュールは?
- 原則として、4泊5日のスケジュールです。手術の前日に入院し、手術の翌日には歩行、食事が開始され、シャワー浴もできます。退院は術後の回復が良ければ 3 日目の退院ですが、2 日目でも構いません。(スケジュールの概略は腹腔鏡パンフレットに記載されており、詳細は入院時にお渡しする入院診療計画書でご案内いたします。)
入院生活に関して
- 立ち会いの家族は当日何時に来ればいいか?来られない場合は?
- 開腹や輸血を行う場合には、家族の了解を得ることが望ましいので、原則として手術時には2親等以内のご家族の立会いが必要です。どうしても困難な場合には医師に申し出てください。
- 手術当日の順番は?
- 手術の順番は、患者さまの状態や手術室の都合により突然変更される場合があります。外来でお示しする順番と異なる場合もありますので、ご了承ください。
- 手術にかかる時間は?
- 手術時間は外来で説明しますが、お示ししている時間はあくまでも手術が順調であった時の目安です。また、病室から手術室に移動して手術後戻るまではおおよそ前後1時間を加えた時間がかかります。(例えば手術時間が1時間30分なら、約3時間30分です)これは、ご家族がお待ちになる時間の目安になります。
- 手術後、身の回りのことなど付き添いはいるのですか?
- 当院は基準看護を採用しておりますので、付き添いは不要です。面会時間内のご面会に限られます。手術が終了し、患者さまが病棟に戻られたらお帰りになって構いません。
- 入院後の担当医は?
- 入院後は内視鏡チームが担当いたしますが、手術には原則として外来担当医が立ち会います。
- 生理中でも可能ですか?
- 手術は月経に関係なく行われます。月経中でもまったく問題ありません。
手術後・退院後の生活に関して
- 手術後の痛みは?
- 腹腔鏡手術は効果が速やかで覚醒の早い全身麻酔で行います。麻酔が覚めた後の痛みに対しては、鎮痛剤の座薬や筋肉注射で対応いたします。腹腔鏡手術では手術の傷が小さいため、術後の痛みは開腹手術よりも軽度です。術後の痛みに対しては病棟の看護師が速やかに対応いたしますので、ご心配要りません。
- 今後はどれくらいの割合で通院するのですか?
- 術後の来院日は手術の 1 週間後、1ヵ月後、3ヵ月後、6ヵ月後です。その後は病状により6~12ヵ月毎の経過観察となります。
- 月経はいつから始まりますか?
- GnRH アゴニストの最後の投与から平均 90 日後くらい、個人差があり 1~3ヶ月後から始まります。
- セカンドルックの必要性は?
- 婦人科手術の後に癒着が発生すると、不妊などの原因になります。また、子宮筋腫の核出術の後では、妊娠した場合に自然分娩ができるか否かが重要なポイントになります。今後ご妊娠を希望される場合、子宮内膜症で重症な癒着があった方や比較的大きな子宮筋腫を摘出した方は、セカンドルックを行っておなかの中の状態を確認することが大切です。
- 保険会社の書類はいつ渡せばいいのですか?
- 原則として、入院中はお預かりしていません。退院後外来にいらした際に4階の事務までお持ちください。なお書類の完成までには提出から2週間のお時間をいただいております。
- 退院後の生活は?
- 術後の回復期間には個人差があります。全ての人に画一的な生活指導をすることはできません。当院では 、これまで手術を行った患者さまへのアンケートから術後回復の目安を作成しておりますのでご参考にしてください。